精神科・心療内科を主としておりますが、漢方診療も行っております。
精神科・心療内科領域の患者さんには、抗うつ薬や抗不安薬などを用い、広い意味での精神療法を併用する標準的な治療の他に、必要やご希望に応じて漢方薬を用いた治療も行っております。
また漢方診療に関しては、精神科・心療内科領域以外の疾患・不調でも診療しております。
詳しくは「当クリニックが対応する主な症状・疾患」のページをご覧ください。
近代西洋医学の発展はめざましいものがありますが、まだまだ未完成であり、一方で漢方医学にも後で述べますように得意不得意があります。
当クリニックでは、どちらかに偏るのではなく双方の長所を生かして患者さんごとに最適な治療を提供したいと考えております。
また、漢方薬は西洋薬と同じように健康保険で使えるものを用い、服用が簡便なエキス製剤を処方することを基本としております。
従来内因性精神障害と言われていた統合失調症、双極性感情障害、うつ病と、神経症性障害の中でも強迫性障害の患者さんは西洋薬による治療が主となりますが、漢方薬を併用することで、便秘や冷え、易疲労性、のどの詰まり感、月経前の病状の悪化など併存する症状が改善することがあります。
パニック障害、不安障害、社交不安障害などの神経症性障害や、双極性障害やうつ病のためでないうつ状態の患者さんも基本的には西洋薬による治療が主となりますが、症状が軽度の場合など漢方薬のみで回復される方もおられます。
また当クリニックには、広い意味での適応障害のために気分の落ち込みや不安、いらいら、不眠、食欲不振などの症状が出現した方が多数受診されています。
適応障害は、患者さんを取り巻く環境からのストレスに患者さんがご自身の適応力で対処できない場合に生じます。
お薬の力を借りてつらい症状を緩和しながら、ストレスへの対処のしかたや環境調整についてご助言したりする一方で、ものの見方・考え方を変えたり、対人関係能力を向上させたりして適応力のパワーアップをはかることを目的に、外部機関のカウンセリングやリワークデイケアなどをご紹介する場合もあります。
漢方薬による治療に、このような非薬物療法を併用することで、回復される患者さん
もおられます。
漢方診療では症状と漢方的診察による診立てに基づいて漢方薬を処方いたします。
このため、西洋医学的診断がついていなくても漢方薬を選ぶことが可能ですが、逆に漢方的診察だけでは西洋医学的治療が優先されるべき疾患を見逃す危険があります。
例えば、胃もたれを訴えて受診された患者さんに漢方薬を差し上げて症状を改善させることは可能かもしれませんが、漢方的診察では胃炎による胃もたれなのか胃がんによる胃もたれなのかを区別することは困難です。
通常は漢方薬で胃がんを治すことはできないので、胃がんであれば手術など西洋医学的治療を主としなければなりません。
このように漢方医学にも得手不得手がありますので、当クリニックでは血液検査なども行い、総合的な見地から西洋医学的診察・検査・治療を受けた方がよいと思われる場合は、適切な医療機関の受診をお勧めしたり、ご紹介したりしております。
はじめて診療をご希望される方は、問診票をダウンロードし、 記入してご持参くださるとスムーズです。 |
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問診票をダウンロード ※ダウンロード後、印刷してご利用下さい。 |
古来漢方には、精神科、心療内科、内科、婦人科、耳鼻咽喉科、整形外科、皮膚科などの区別はなく、一人の漢方医が、患者さんの(近代西洋医学的な)病名ではなく、その方の症状と体質をもとに選んだ漢方薬を用いて、幅広い症状・疾患の治療を行なっておりました。
現代でもその伝統は変わりませんので、本来は漢方科と標榜するのが適切と考えておりますが、現在法律ではそのような標榜科名が認められていないため、漢方内科と標榜しております。